
マスターズの第2ラウンドは、午前と午後、そして、ベテランと若手で明暗を分けた。
今日、スコアを伸ばして、リーダーボードの単独トップに立ったのは、南ア出身のトレバー・イメルマン(28歳)。「今日は昨日ほどには、いいプレーができていなかった。でも、信じられないような長いパットが今日は入った」とかで、午前のソフトなグリーンの有利さを生かし、昨日からの勢いを止めることなく、トータル8アンダーで、今日の試合の流れを作ってしまった。そのイメルマンを1打差で追いかけるブラント・スネデッカー(27)も、早いスタート時間で、「(パッティングで)ボールを本当に良く転がすことができるんだ。ここではパットが重要で、だから、エキサイトしているし、リラックスしたプレーができる。どんなショットを打っても、パットが決まってくれるように感じているんだよ」とか。この二人が、8アンダーと7アンダーで、早い時期にスコアを伸ばしたことから、遅いスタートのプレーヤー達は、週末を控えて、引き離されまいと攻撃的なプレーをしなければならない、といった焦りが生まれはじめていた。
「リーダーボードはいつも見ている。あんまり離されると、バーディを狙って、ちょっと無理な攻めをしなければならなくなるからね。トレバーとブラントは、私がバック9に行く前にフィニッシュしていた。フロント9では、非常に風も落ち着いていて、ピンを狙うこともできた。午後の風はとても強かったわけではないが、巻いていて、それが、難しくしていたんだ」と語るのは、この日、ベテラン勢の中では、ただ一人、大きくスコアを伸ばし、5アンダーの3位タイにつけたフィル・ミケルソン。まだ、ミケルソンがプレーしているときには良かったが、時間が遅くなればなるほど、「グリーンは、急速に乾き始め」(1アンダー13位タイのビジェイ・シン)、「風が強く、巻いていた」(1アンダー、タイガー・ウッズ)だったのだ。
特にウッズのように最終組に近くなると、厳しいコンディションのために時間がかかり、ラウンドに6時間近くも要している。スコアが伸びている焦りの中で、プレーを待たされ、集中力を持続させなくてはならない。午前と午後のプレーでは、大きな差があったのだ。
「週末の天気はあまりよくないと聞いている。そして日曜日には、風が吹くとか。そうなったら、何が起こるかわからない」(シン)し、「よりタフなコンディションになるというから、忍耐が必要。でも、(そんなコンディションでは)、差は簡単に縮まるもの」(ウッズ)と、まだまだ、波乱の展開が起こりそうな雰囲気だ。
そうした中で、日本人の二人は、ともに週末に残れず、敗退してしまった。谷口は、第2ラウンドイーブンパーで回ったものの、トータル4オーバーで1打及ばず、片山の方も、この日1オーバーのプレーを見せたが、初日の7オーバーが響いて、予選落ちしてしまった。二人がともに、自分の体格のハンディについて語っていたが、再度の挑戦を期待したいものだ。かつて、ジャンボ尾崎などは、メジャーに挑戦するたびに、課題を見つけて、強くなっていた。次回は、一回り大きくなった姿を、オーガスタのパトロン達の前で、披露してもらいたい。
若手が伸び、ベテラン達が攻めきれないもう一つの理由
ビックネームたちが、攻め切れなかった初日と第2ラウンド。オーガスタナショナルで何が起きているのか? 試合前、フィル・ミケルソンが語っていた、7番ホールがひとつの鍵となっていたのかもしれない。このホール初日の平均スコアは4.325で、17番についで2番目に難しいホールとなっていたが、改造前の2005年の試合までは、もっともやさしいミドルホールのひとつだったのだ。「以前は6番までイーブンパーでプレーできれば、7,8,9番ホールのどれかでバーディをとって、アンダーパーで折り返せた。それが7番でボギーとすると、スコアメイクの計算ができなくなる。あのホールはウェッジで攻めるように設計されたグリーンで、ミドルアイアンでは難しすぎる」(ミケルソン)ということになる。ピンポジションも、昨年、一昨年の初日は、中央奥だったが、今年の初日は右端。ピンに寄りようのない位置だった。
ピンポジションということなら、昨年の初日に続いて、今年も難しかったという声が多く、プレーヤー達から出たが、たとえば1番からして、グリーン奥の左側に切ってあったものが、今年の初日は、右奥。あるいはベテランたちにとっては、意外なピンポジションで、それが攻めきれない原因となった可能性もある。むしろ経験の浅いプレーヤーや順応性の高い若手が、頑張ったのには、こんな理由があったのかもしれない。
実際、タイガー・ウッズにしても、初日、フェアウエイキープ率が、71.4%と通常のツアーのときに比べて15%近くも高くなっている一方で、オーガスタでのパーオン率は、61.1%と13%強もいつもより低くなっているのだ。経験による判断が、あてにならないことから、慎重になりすぎて、攻め切れなかったといえるのかもしれない。
今後のピンポジションにも注目したい。

