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マスターズ 最終ラウンド
日曜日, 4月 13, 2008


By Eizaburo Yoshikawa

トレバー・イメルマンが、マスターズの、そしてゴルフの歴史にその名を刻んだ。それも、1980年のセベ・バレステロス以来はじめて、初日からトップ、あるいはトップタイで、最終18番ホールまで走りきったのだ。

 年間グランドスラムを狙っていたタイガー・ウッズは、5アンダーの2位。「とにかくショートパットが入ってくれなかった。この難しいコンディションでは、毎日パーを取りに行くのがやっと」と語ったが、期待はずれのウッズよりも、そのコンディションの中で、ウッズに3打差をつけ、8アンダーでホールアウトしたイメルマンをほめるべきといえるだろう。

 何しろ、フェアウエイキープ率は85.7%でランキング1位。そしてドライバーの飛距離は287.5ヤードでランキング4位。パーオン率2位タイで、平均パット数は7位。あらゆる面でウッズを上回り、ようやくポストタイガー世代の巨星が輝き始めたといえるだろう。

しかし、最終日は、風速10mを越える強風とプレッシャーの中、アンダーパーでラウンドしたのは、わずかに4人だけというタフなコンディション。イメルマンもそう易々とは、逃げ切ることができなかった。

イメルマンは1番ホールのティショットを右の林に打ち込んで、ボギーとすると、2番ホールで、2打差で追っていたブラント・スネデカーが、イーグルを決めて、10アンダーで、イメルマンと並んだ。スネデカーは、3番、6番ホールでスコアを落とす一方、イメルマンが5番でバーディを取って、単独トップとなるが、その後、難しい7番ホールで、イメルマンは70cmのバーディパットをはずすと、8番パー5で、3オン3パットのボギー。それでも、イメルマンは、ベテランのスティーブ・フレッシュに2打リードしていたが、やはり、その勝利を決定づけたのは、やはりアーメン・コーナーだったといえるだろう。10アンダーのイメルマンが11番で、グリーン右のカラーから、7~8mの難しいパーパットを決めた直後に、5アンダーのタイガー・ウッズは、13番でピン上1mのバーディパットをはずし、8アンダーのフレッシュは、12番のティショットで池に打ち込んだからだ。イメルマンがアーメン・コーナーをパー、ボギー、バーディで乗り切った時点で、2位に5打差をつけていたのだ。その後、16番での池ポチャのダブルボギーもあったが、余裕で逃げ切った。

「タフなコンディションだった。でも、自分はゲームプランを守り、1打1打に集中した」というイメルマン。その影には、家族はもちろんだが、ゲーリー・プレーヤーの存在があった。「5歳のときに彼と初めて会い、その後はずっとコンタクトを持っていた。彼は、もう一人の父親のような存在」というプレーヤーが、自分自身に自信を持ち、さらに、土曜日の夜には、「パッティングをする前に、ちょっと間を置き、ラインを読み直せ」といったメッセージを残していたとか。そのプレーヤーは、数年前に「彼はオーガスタで勝つ才能と能力を持っている」と評しているが、それがついに現実のものになったのだ。

 昨年の12月に腫瘍の摘出手術をし、「6~7週間はリカバリーでゴルフができなかった。チッピングからはじめるような、まったく0からのスタートで、それでマスターズに優勝できるなんて信じられない」と語る一方で、「入院したことで、ゴルフがすべてではないと感じたことも確かだが、これまですべての情熱をゴルフに傾けていたし、自分の情熱がゴルフにあることも知った」とかで、その手術がひとつの転機になっていたようだ。

 マスターズに先駆けては、コーチであるレッドベターがアカデミーを持つフロリダ州のレイクノナの隣人でもあるイアン・ポールター、ジャスティン・レナードと下見のプレーを行い、準備を万全にしていた。父親は、南アのサンシャインツアーのCEO・コミッショナー。ゴルフ界のサラブレッドが、ようやく頭角を現してきた。